ジプシーカード

 

 

ジプシー占いはどんな占い?

 

ジプシー占いは、現在ではすっかりおなじみとなった「タロットカード占い」の起源と言われている非常に歴史の深い占いです。
インドからヨーロッパへ旅をしていた「ジプシー」と呼ばれる民族の手によって生み出されたことからその名前が付きました。

ジプシーはヨーロッパで生活をしている移動型民族です。西暦1100年に登場したという記録から始まり、1427年にはパリに現れて自らをエジプト出身であると名乗りました。当時の人々は彼らを「エジプシャン(エジプトからやって来た人)」と呼び、次第にその発音が変化して現在のように「ジプシー」と呼ばれるようになりました。現在では様々な場所を渡り歩く人間を比喩する言葉としても、「ジプシー」が使用されています。

 

ジプシー占いの有名人「ル・ノルマン婦人」

 

ジプシー占いがヨーロッパに普及するきっかけを作った人物として、ル・ノルマン婦人が有名です。ル・ノルマン婦人はナポレオンの妻であるジョセフィーヌ婦人と仲が良く、ナポレオンがいずれ各地を支配して「王の中の王になる」ことをジプシー占いによって予測していたのです。
ル・ノルマン婦人はナポレオン皇帝夫妻以外にも、多くの時の権力者たちを顧客に持ち、絶対的な信頼を集めていました。


ル・ノルマン婦人の残した自叙伝によると、元々下着屋の売り子であった彼女は数人の師匠から占いを学び、その才能を次第に開花させたそうです。
1791年に法律によって占いが禁止されたことによって、1794年に逮捕されるという苦い経験を重ねながらも、彼女は辛抱強く占いを続けました。

1800年以降は大物政治家を始めとした権力者を顧客にとりこみ、彼女の店の前には行列ができるほど評判になっていました。
ナポレオンの生涯を予言して的中させたと言われているル・ノルマン婦人ですが、残念ながら「自分は108歳まで生きる」という自分自身の予言は的中させることができず、1843年に71歳の生涯を閉じました。

 

ジプシー占いに使用する様々なカード

 

ジプシー占いを行う際に使用するカードには様々な種類があります。ジプシー占いの権威であるル・ノルマン婦人の名前を冠した「小ル・ノルマン・カード」や「大ル・ノルマン・カード」なども存在します。

こういったル・ノルマン系カードは今でも人気があり、多くの人々に愛用され続けています。基本的にジプシーカードはそれぞれ異なる絵の描かれた36枚のカードが1セットになっています。世の中にはジプシーカード以外にもタロットカード、ルーンカード、エンジェルカードなどの種類があり、それぞれ使用する枚数が異なります。

タロットカードは78枚、ルーンカードは24枚 、エンジェルカードは44枚というのが一般的です。

 

時代とともに変化を遂げたジプシーカード

 

 

ジプシー占いは様々な絵が描かれたカードを使用しますが、大昔のジプシー占いでは木の葉や枝など、身近にある物を上手く利用して占いを行っていました。また、古代インドでは「ヒンズー・カード」と呼ばれるカードを利用してジプシー占いを行っていたという記録もあります。
ヒンズー・カードは動物の骨や木の皮を使って作られた円形のカードで、占いの道具としてだけではなく、祭りの飾りなどに使用されることもありました。

ジプシーたちの手によってヨーロッパに伝えられたヒンズー・カードは、後にトランプに変化したという説もあります。
ヒンズー・カードは時代とともに進化を遂げ、その後は「インダス・カード」になり、最終的にジプシー・カードと呼ばれる物に変化しました。
ジプシーカードには、一枚一枚にクラシカルな絵が描かれています。近代的なタロットカードやトランプと違って、描かれた絵の雰囲気を楽しめるのもジプシーカードの魅力と言えるかもしれません。

 

ジプシー占いの特徴

 

ジプシー占いの大きな特徴の一つが、他の占いよりも診断結果が非常にはっきりしているというところです。タロット占いは占い結果が幅広いのに対して、ジプシー占いはより具体的な結果を導きだすことができるのです。あまりにも具体的で正確な答えを導いてしまうため、過去には使用を禁じられていた時代もあるほどなのです。「良いことだけではなく、悪いこともズバリ聞きたい!」という人には向いている占い方法と言えるでしょう。 答えは具体的にピンポイントで導きだしますが、占える事柄の範囲は広いという点もジプシー占いの大きな魅力です。恋愛、仕事、家庭、人間関係、健康運など、ジャンルを問わずに占うことのできる万能占いなのです。

 

© 2023 Seiran Hitomi official site Powered by AFFINGER5